大阪府&箕面市が 相次ぎ「みどり税」へ ・・ その“使いみち”が焦点

 今、大阪府と箕面市とが、相次いでいわゆる「みどり税」の導入へ向かっています。


★ 府は、府民全体から徴収 ★

   

 大阪府は12/16に豊能府民センターで“タウンミーティング(地域住民集会)”を開き、集まった約50人の府民や行政職員などを前に、「みどり税(名称未定)」について説明(府は同様の会合を府内各地で開催)。

府の「みどり税」の“タウンミーティング”(12/16。豊能府民センター(池田市))
府の「みどり税」の“タウンミーティング”(12/16。豊能府民センター(池田市))

 
 府は一昨年12月に設けた「調査検討委員会(会長:大阪府大院教授の増田昇さん)」の今までの検討を受けた『中間とりまとめ』に基づき、新税を府民全体※から集めるとの方向を示しました。
 (注)※府民税の均等割への上乗せ(超過課税)を基本に検討中。
   全国で既に35県が導入。税額は個人=400~1,200円、法人=5~11%増など、
   (いずれも概ねすんなり認められた模様)。 

“タウンミーティング”の正式名
“タウンミーティング”の正式名

★ 箕面市は、ディベロッパーから ★


 一方、箕面市は、いわば「開発みどり税」というべき「開発事業者等 緑化負担税」について、昨年6月から「検討委員会(委員長:関西学院大教授の小西砂千夫さん)」で検討、6回の委員会と市民などへのパブリックコメントを行い、11月に市へ答申。


 暮れの12月市議会はこの税の市条例を、賛成多数で可決。
 国(総務省)との協議を経て、平成28年度から徴収の見通し。


 こちらは、市条例に基づく「法定外目的税※」方式を採用。
(注)※市域で住宅開発等を行うディベロッパーから敷地面積等に応じて徴収(税額:1軒当たり約5万円~)。個人が行う自宅の建設などは対象外。


★ 具体的な“使いみち”は、これから・・ ★


 府・市ともに、超高齢時代を控え財源確保が厳しくなる中で、新たな税収を削減傾向にある森林・都市緑化などの“みどり”に使う(みどり予算を補強する)とし、その大まかな使いみちを示します。


 まず府は、次の3分野での大まかな予算額(5年間で総額100億円等)を示します。
  ① 自然災害から府民の暮らしを守る
   (危険渓流の流木対策/国・府道沿いのナラ枯れ・放置竹林の伐採など)
  ② 健全な森林を、“次世代”につなぐ 
   (森林経営が見込めるエリアでの作業道等の基盤づくりや人材育成など)^
  ③ みどりの充実により魅力ある大阪を創出する
       (都市部でのみどりのボリュームを増やす(200ha)など)

府の「説明資料」から
府の「説明資料」から


 一方、箕面市は、次の使いみちを「例示」しています。
 なお、市は税収見込みはおよそ年間3,000万円(具体の事業別予算見込み額は示さず)。
  ① 森林整備
   (ナラ枯れ対策/教学の森等の緑地管理 など)
  ② 市街地のみどり
   (市民による公園管理/公園の維持/まちなかのみどりの支援 など)
  ③ 農地保全
       (ため池親水施設管理/生産緑地(対策)など)


 両方とも、「使いみち」の具体化はこれからのようで、府民・市民が関心を持つことが望まれます。


市の「説明資料」から
市の「説明資料」から

★ 2/12 箕面で府の「出前タウンミーティング」開く ★

 

 ■■■■ 大阪府の「出前タウンミーティング」■■■■
◆日時:2/12(木)午後1時半~(3時半)
◆場所:文化。交流センター(サンプラザ。箕面駅前)4階会議室
◆申込み;NPO山麓委員会(電話:072-724-3615)

 

 府とじかに話し合う良い機会なので、多くの市民などの参加が望まれます。

 

 

【コメント】 打ち出すべき-“みどりの協働”などの《新機軸》

 

 いずれにせよ、“みどり”への財源として「みどり税」を集めることは、全国的なすう勢でもあり、基本的には妥当とみられます。

 

 ただ、府・市ともに「財政が苦しくそれを補う」との立場で、やや消極的な印象。
 本来は①“みどり”の“今日的なニーズ”に応え、②中間支援組織の確立を含め“府民・市民との協働”を推進するなどにより限られた予算額で大きな効果が上げるなど、府民・市民の共感を呼ぶ積極的な《新機軸》を含め打ち出すことが望ましいでしょう。
 
 具体的な「使いみち」については、行政だけで固めずに、府民・市民とよく議論し《効率的・効果的な方向》が打ち出されることが期待されます。

 

 なお、箕面市では新税について新たな「基金」を設けその使いみちなどを明確にし、既存の「みどり支援基金(約7億8千万円。平成25年度末)」は総合公園などの大きな公園の整備などの臨時的な財源として貯金する考えを市長が示しています。
 いずれにせよ、新税を契機に「一般財源」の使いみちを含めた“みどり”を巡る資金的な枠組みが大きく変わる可能性もあるとみられ、適切な方向となるよう十分に見守っていくことが望まれます。
 
【参 考】
 当NPOが箕面市出した「開発みどり税(緑化負担税)」の「パブリックコメント(新税に基本的に賛成)」を、このHPの「What's New」又は「お知らせ」(トップページ)で示しています。

                               ↓

ダウンロード


 なお、このパブリックコメントなどへの包括的な見解は既に出されており、市のHPで閲覧できます。
           ↓
http://www.city.minoh.lg.jp/machi/documents/ryokkazei-pabukome-kekka.pdf

 

                       (NPO法人 花とみどりの街づくり・箕面 事務局)