箕面の山すその「箕面如意谷(にょいだに)住宅」の団地内や周辺のり面一帯は、四季折々の花とみどりで彩られています。長年、団地の管理組合を中心に住民パワーで、ブラッシュアップされてきました。
団地の東部は、“春”をテーマにソメイヨシノ(染井吉野)・しだれ桜・ユキヤナギ(雪柳)・シバザクラ(芝桜)などで演出されてます。
桜が満開の頃、「如意谷さくらまつり」が開かれます。特にライトアップで夜桜が楽しめるのは、今のところ、市内ではここだけでしょう。ベンチを整備するなど「お花見場所」としての心配りや演出は、市内ではトップクラス。
団地の中央部は、“夏”をテーマに棟間やミニ公園などが緑したたる場となってます。
明らかにせん定されてはいるのですが、樹形が自然風にさわやかにコントロールされ、その気遣いの心地よさは抜群!
そして、団地の西部は“秋”をテーマに、紅葉(黄葉)樹が植えられてます。
さらに団地の南部には、のり面を生かした「フラワー公園」が、四季を通じてお花で飾られてます。
こうした住民パワーによる“花とみどりの団地”づくりは、今まで何度か箕面市や大阪府からの表彰を受けています。
特筆すべきはその開放性で、団地を単に市民に公開するだけでなく、「さくらまつり」に象徴されるように積極的に催しを企画し参加を受け入れていることです。
最後にもう一つ特筆すべきは、この団地の1号棟付近から銅鐸が出土したことです。1966年の元旦、造成地を犬を連れて散歩していた市民が見つけました。
この衝撃の発見は、この付近の地名や旧為那都比古(いなつひこ)神社(大宮寺の森)の存在などとも重なって、卑弥呼(ひみこ)の時代の「いなの国」の中心地説(『箕面市史 第三巻』(末尾))など、箕面の“古代史ロマンの謎”を生み出しました。
この団地は、箕面の歴史文化の記念碑的な場所なのです。
まさに、今、箕面で進められている文化の薫る“花とみどりの街づくり”の「モデル住宅団地」といえるでしょう。 むろんここは観光地ではありませんが、市民が静かに訪れ楽しみ学んでもいい場所でしょう。
【場所】箕面市如意谷4丁目
【あし】山麓線のバス停「如意谷住宅前」から、坂又は階段を登りすぐ。
オレンジゆずるバス〈赤コース〉のバス停「山手公園前」から、西へすぐ。
来訪者用駐車場(有料)が、お花見場所の入口(坂の上)に7台分。
【プロジェクトみどり事務局。2013.4投稿】