道行く人のため“ミニお花畑”! ~ かやの中央エリアの農家さん

 箕面市かやの中央エリア西側(坊島4丁目)の新しい道沿いの畑に咲く花々・・あまりの美しさに、作業中の女性に声を・・。

 

 「きれいですね~」
 「ええ・・、本家(ほんけ。おおもとの親戚)の畑を借りてキュウリなどを作ってます。でも、道沿いの一畝(うね)だけは、その本家がお花を植えてます」とのこと・・。

美しい道沿いの“ミニお花畑”
美しい道沿いの“ミニお花畑”


 早速、近くの坊島集落の本家のお宅を訪ねます。

 

 このお宅の農地所有者の男性は、「花を植えてるのは道行く人のため」と言い、「近所からは(お花栽培の所に)農作物を作れば(それだけ)もうかるのに・・と言われてます」と笑います。

 付近はかつて一面の農地・・、

 この農家さんは約10年前の萱野中央の特別土地区画整理事業の際に(宅地換地(かんち)でなく)農地として残し、農業を続けているようです。
 
 「(以前は)古井戸公園(注)の花壇の世話も手伝ってた」とのことで、この農家さんは“街をお花で飾ろう”との気持ちのようです。

 

 (注)古井戸公園=区画整理事業で整備されたかやの中央エリア東南部の公園。近年は世話が中断、最近、ボランティア組織「みのお園芸ファーム」が花壇づくりに取り組んでます。

別の方向からのミニお花畑・・(7/14)
別の方向からのミニお花畑・・(7/14)

 この農家さんは、「(お花を美しく育てるには)花殻摘みや除草などの世話が欠かせない」と語ります。

 

 お宅を訪ねた日の夕方に現地を通りかかると、その男性がお花畑の手入れの最中・・、再び話を・・。


 「こうして花を摘んどくと、また見事な満開に・・」と言いながら、一つ一つ実にていねいに摘んでいきます。全部をやるには、かなりの時間と手間が・・。

 

 「毎年、やるかどうかを迷いつつ・・続けてきた」と言います。
 この農家さんの“お花のボランティア精神”には、まったく頭が下がります。

手入れが終わったお花畑(7/16)
手入れが終わったお花畑(7/16)
約一週間後、再び満開に(7/24)
約一週間後、再び満開に(7/24)

 このミニお花畑は、畑の夏野菜ともマッチして、のどかでかつ華やかなセンスある田園風景を生み出してます。

畑のデッかいネギ坊主(生け花用?)
畑のデッかいネギ坊主(生け花用?)
さりげなく咲く夏野菜の花
さりげなく咲く夏野菜の花

 

 現地は、新御堂筋の坊島4丁目交差点の西250m(新設道路の行き止まり)の南側。

※撮影は、基本的には7/14。

 

【コメント】

 農家が畑の道沿いなどにお花を植えることはしばしば見られますが、ここほど見事なのは余り見かけません。また箕面では景観を意識して、田畑にレンゲや菜の花を植えることは一部で取り組まれています。さらに箕面では見かけませんが、地方によっては水田の一部に花の咲く水草を植える風習があるそうです。いずれにせよ、“農空間をお花で飾る”ことは、農地の保全・活用とも関連してこれから注目される新しい動きでしょう。なお、箕面の粟生外院のバラ園も農地を活用しており、この動きのすばらしい例といえるでしょう。

 

                       (NPO法人 花とみどりの街づくり 事務局)